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シンビジウム栽培カレンダー

*表の左の項目をクリックしていただくと説明が表示されます
 
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
栄養成長 休眠 新茎(葉芽)の成長 バルブ形成・
新芽(葉目)出現
休眠
生殖成長 花茎(花芽)
伸長
開 花   花芽の発生  
置き場所 明るい屋内 屋外で30~50%の遮光下 明るい屋内
温  度 夜間最低2~10℃
(適温10℃)
昼間最高5から20℃
(適温15℃)
屋外自然温度 夜間最低2~10℃
(適温10℃)
昼間最高5から20℃
(適温15℃)
1~4月と同じ
肥  料 液体肥料2000倍を毎週1回 置肥を毎月1回 液体肥料2000倍を毎週1回
水やり 鉢の表面が乾いたらたっぷり 毎日たっぷり 朝夕たっぷり日中葉水 毎朝たっぷり 鉢の表面が乾いたらたっぷり
害  虫 アブラムシ・ナメクジ ハダニ・ナメクジ・カイガラムシナメクジ
病  気   フザリウム・軟腐病・たんそ病・モザイクウイルスなど  
芽かき 新茎(葉芽)の数を制限 定期的な芽かき 花芽を発生させるため芽かき  
植えかえ   株分け   鉢増し



栄養成長

栄養成長 9~10月頃に発生する葉芽が翌年花芽を付ける新芽として最適です。  これより早いものは良くありませんが、逆に遅くても12月までのものなら間に合います。

新芽(葉芽)の発生後、厳寒期である12月から2月頃にかけても、生産現場では温室で栽培するので、少しずつ生長していきます。 しかし、一般家庭においては、この時期は光線、温度ともに極端に不足するので休眠状態で過ごさせる方が無難です。

3~4月頃より少しずつ生長し始め、梅雨頃に最も旺盛となります。 その後、8月~10月にかけて最後の葉を展開すると同時に、急速にバルブを形成します。  これでその葉芽は生長を終えますが、同時にそのバルブの付け根に次の新芽(葉芽)が付き、世代交代となります。

生殖成長

生殖成長 我々営利生産者は「山上げ栽培」という特殊な促成栽培法により、はじめて秋ごろから開花させる事ができます。 しかし、通常は2月~4月頃にかけて開花期を迎えます。
 
花芽の発生はそれからおよそ半年前の7~10月にかけて見られます。  花芽は高温に非常に弱いため、7月以前に発生した花芽は枯死してしまう危険性が高くなりますので、注意が必要です。
特に伸長期には夜温が15℃を超えない様十分注意して下さい。

置き場所

置き場所 秋に新芽(葉芽)が発生したものを11月頃に、明るい室内に移します。  その時期はその年、地域によって異なりますが、基本的には凍結させない様、「初霜」又は「初凍り」までに・・・ということです。 

海岸沿いなど、霜も凍結もないという地域では、風除さえあれば1年中戸外においても枯れる事はありません。

ここで言う「明るい屋内」とは、家の中で日中ガラス越しの光線が当たる場所の事ですが、南向きのガラス戸のある玄関や土間などが、水やりの事を考えても最適です。 

春遅く、4月頃になると霜の降る日も少なくなり5月には、ほとんどの地域で戸外に出せるようになります。 ただし、いきなり直射日光にさらすと「葉やけ」を起こしてしまうので、徐々に馴らしていきます。 そして秋までの間、雨のあたる場所に出し、季節によって30~50%の遮光ネットを張ります。 この時、直接地面に置くのではなく、雨の跳ね返りがない程度の高さの棚上に置けば、病害虫が付きにくくなります。
 
しかし、実際に遮光ネットを張るのは大変な作業なので、樹木の下にビール箱などで棚を作り、その上に風で倒れない様に固定して置くとよいでしょう。 この場合、梅雨明けから8月一杯は、ちょっとした事ですぐに「葉やけ」を起こすので、管理がおろそかになる場合は、建物の北側など、日中ほとんど日の当たらない場所に置く方が無難です。

温 度

温度 生産現場では冬季もある程度の温度を保ちますが、これは十分な光線が得られて初めて出来る事で、一般家庭では凍結しない限り加温はしない方が無難だと思います。




肥 料

肥料 十分な水やりのできない11月~4月は置肥をしても溶けにくいので、週に1回程度、市販の液肥を2000倍位に薄めて、水やりがわりに与える方が効果的です。

5月に屋外に出してからは、油粕と骨粉を混合した肥料を置肥として月1回、カレースプーン1杯程度与えます。


水やり

水やり シンビジウムは地面の中に根をのばして自生する「地生ラン」に属し、コチョウランなどの様な、岩や木の上に根をむき出しにして自生する「着生ラン」とは大きく異なります。 それゆえに同じラン科の植物と言ってもその水管理も全く異なります。 コチョウランなどの「着生ラン」は水を控えめに管理しなければならないのに対し、シンビジウムなど「地生ラン」には水をたくさん与えなければなりません。 「水が多すぎると根腐れするのでは・・・」と心配されがちですが逆に高温期の乾燥の方が根を痛める原因になる事が多い様です。

5月より屋外で栽培しますが、自然の雨にも十分にあて、月1回の10グラムの置肥が溶けきる様にします。 また、真夏の日中には葉水を打つ事ができれば、葉やけを防ぐ事ができます。 水やりがおろそかになって、鉢内に水がしみ込みにくくなった場合は、2度がけ、3度がけするとよいでしょう。

害 虫

害虫 夏季に葉の裏にハダニやカイガラムシが付きます。市販の農薬も使えますが、ティッシュや雑巾で拭き取っても簡単に駆除できます。 また、花にはアブラムシが付きますのでつぼみの間に拭き取って下さい。

農薬の中には花に薬害を生じる物もありますので、注意しましょう。

年 間を通して夜な夜なナメクジに襲われます。 一つ一つ取っていてはきりがないので、市販のナメクジ駆除剤を使うと便利です。

病 気

病気 シンビジウムは元来とても強健な植物で、あまり病気の心配はありませんが、高温期を中心にフザリウム、軟腐病、たんそ病などの防除を行ってください。

モザイクウイルスは、はさみなどの器具によって伝搬するので、なるべく使わない様にします。 どうしても使わなければならない場合は消毒して使いましょう。

芽かき

芽かき 「芽かき」とは不要な葉芽を取り除く作業です。 これはシンビジウムを栽培する上で最も重要な作業で、「芽かき」なしで花を付ける事は不可能と思っていた方が良いでしょう。 うまく花芽を付ける事が出来ないという方のほとんどは「芽かき」ができてない様です。

翌年に花芽を付けるための新芽(葉芽)がいくつ発生するか、決まってはいません。 品種によっては4本、それ以上も発生します。 これらをほおって置くと貧弱な株になり、極端に花付きが悪くなるので、一鉢に2本になる様「芽かき」してください。

我々生産者でさえ、ほとんどが2本で、3本にすると花付きが悪くなり、5本にすると絶望的となります。  2本に制限した後も花芽の発生期まで、時々余分な葉芽が出てきます。 定期的に「芽かき」をし、2本の葉芽だけをなるべく大きく育てて下さい。

花芽の発生前になると、その2本の葉芽の付け根(花芽が発生する場所でもある)にも別の新しい葉芽が発生してきますが、これも花芽を付けるためには不用なので「芽かき」します。

ただし、この時期は世代交代の時期で、翌年の花の為の葉芽を発生させなければならない時期でもあります。 いつまでも「芽かき」を続けて適期を逃してしまわない様、遅くとも10月一杯で中止して下さい。

くどい様ですが、他の管理が完璧でも、この「芽かき」の作業をしなければ花芽を付ける事は出来ないと考えていてください。

植えかえ

植えかえ シンビジウムは根がよく詰まっているほど花芽を付けやすいので、むやみに植えかえをするのは、あまりよくありません。 市販されている株の大半は3年物ですが、根が盛り上がっていても、あと1年位は、そのままで大丈夫です。

植えかえは、翌年(シーズン)の秋に花芽が発生してから、ほんのひとまわり大きな鉢(6寸なら7寸へ)にそのまま植えかえ(鉢増し)て下さい。 一度鉢増しすれば、2,3年はしなくても良いでしょう。

培養土は市販されている物で十分です。 株分けをすると、極端に根の量が減り、うまくいっても2、3年は花芽が付かなくなります

よほどの理由がない限り株分けはしないで下さい。